・日本・日本人10

 最近、中国国内のツイッターの訪日記事が、日本語のニュースサイトによく紹介されていますが、年寄りの私から見ますと、皆さん何か勘違いしていらっしゃるのではないでしょうかと考えます。

 即ち、日本人には、大昔から良い習慣、良い躾が有ったように、感じるかも知れませんが、50年、60年前の私達が子供の頃はそうでもなかったですよと申し上げたい。日本人でも若者は、昔を知らないから、多分、誤解しているかもしれません。

 例えば、「バスへの整列乗車」は、東京オリンピックの頃でも、関東では、実際に行われていましたが、関西では、我勝ちに乗り込んでいました。私が利用しましたのは、通学に利用しました京都駅前からの市バスでした。乗客は、同じ大学の学生が大部分でした。もう50年ほど前になりますが、毎回腹を立てていました。

 「自動車のクラクション」もそういうキャンペーンが有ってから、徐々に、火急の時以外鳴らさないようになりました。しかし、特に関西では、大阪万博の頃でも、信号の変わる前に発進したり、割り込みをしたり、行儀が悪かったですね。
 そういえば、中国に居た時は、確かにクラクションの音がやかましかったですね。

 「時間を守る」ということに関しても、新幹線、通勤電車については確かにそうでしょうが、一般の生活に関しては、それぞれ地方により、「○○時間」と言うのが有りました。しかし、いつの頃からか、約束時間の5分前、或いは、10分前には、約束の場所に到着するように躾られるようになりましたが、未だに、ターミナルには、待ちぼうけの方が、沢山いらっしゃるように感じます。

 自家用車につきましても、子供の頃、自分が自家用車を乗り回すなんてことは、これっぽっちも考えつきませんでした。同居していた姉夫婦が、自動車を買うと言い出したので、私もお相伴に与ろうと、慌てて、自動車学校に通ったのは、大学生になってからです。

 私の感覚では、所得倍増の掛け声、1964年の東京オリンピック、1970年の大阪万博や、高度経済成長達成期に掛けて、日本人の身についたものではないかと考えます。
 すなわち、オリンピックや万博で、「良い格好したい。」、所得がある程度増えたので、食べることに余りガツガツしなくて済むようになり、「気持ちに余裕が出てきた」からではないかと考えます。

やはり、潤い、豊かになるというのが一番ではないかと考えます。