・脳 02

・脳 02
 北島康介選手の、メンタルトレーナーとして働かれた人に、林成之医師がいます。元々は救急の脳外科医なのですが、現在は、脳の働きの研究の方に進んでおられます。
 彼によりますと、一旦脳に入った情報は、睡眠(6時間)を取らないと、すぐ消えて、定着しないそうです。(海馬)もう一つゲートがあって、感情で色付けされていない情報は、単に動作情報ということで、これも定着しないそうです。 恰も「トリアージ」のように、情報に対して、エフ、あるいはレッテルを張り、あるいは何も張らないで、区別するようです。そして、そのランク付けは、自分の感情、感動を揺すぶったか揺すぶらなかったか、そしてその程度はどうだったかによって、重要度を判断し、記憶する処理を行っているようです。そうして、直ぐ忘れ去られてしまう動作情報(記憶)と、記憶して残して置くものとを区別しているようです。

 ほめられて気分よく取り込んだ情報は、記憶として定着し易いわけです。また怒られたりして悪感情となって入ってきた情報も、やはり定着しやすいわけです。その場合、事の善悪に関係なく、悪感情だけで、応対してしまう場合があります。売り言葉に買い言葉とか、自分に非があるのがわかっているのに、逆らったりする行動があります。親が、叱ってばかりしますと、子供は、分かっていても反発するのは、この現象でしょう。親のやり方に問題がありそうです。

 認知症の人で、すぐカッとなって、乱暴になったりするのが問題になっていますが、同じ現象のようです。非難されて、気分の悪くなるのを繰り返されると、内容の善し悪しに関係なく、反発しますので、パニックが起こるようです。丁寧に気分良くなるように応対しますと、パニックは起こらないようになるそうです。