・日本・日本人8

 日本人の性向として、器用なるが故の、拙速というのが有ります。その延長線で、危機管理において、漸次戦力投入と言う悪癖があります。
 あさま山荘事件で活躍された佐々淳行さんの「危機管理 」で教えてもらったのは、英国が行う「鶏を殺るに、鉈を用いる。」です。危機管理では、完全に息の根を止めろということです。先の戦争においても、戦力の漸次投入等がそこここに見られ、失敗を繰り返したとの指摘がありますが、大部分の日本人は、その点について全く学習していないようです。

 新聞の記事によりますと、東京電力福島第一原発事故後の2011年6月、東電が汚染水の流出を防ぐ遮水壁の設置を検討しながら、経営破綻(はたん)のおそれがあるとして着工を先送りしていたことが、当時の民主党政権幹部の話で分かったそうです。
 今回の処置に失敗しますと、国家の信用を落とすと同時に、世界に危険を振りまいてしまう。国家存亡の危機です。こんなこともわからない人達を選んだのは、誰だ。
 政党とは関係なく政治家として持って置かなければならない資質があるのではないでしょうか。政治屋(ポリティッシャン)ばかりで、政治家(ステーツマン)が、民主党には皆無です。

「鶏を割くにいずくんぞ牛刀を用いん」と言う言葉が昔からありますが、日常生活において当て嵌まるかもしれませんが、危機管理には、不適当な言葉です。