厄介な隣人13

 岡田先生は、中国の歴史は、王朝の正当性、謳うもので、史実ではないとおっしゃっています。
 孔子が、弟子に、罰せられそうな親について、親が不利になるようなことを言ってはならないと教えている下りがありましたが、我々には、「どうして?」ということになりますが・・・

 大陸の徳目には、よく知られている「忠、孝、礼、仁」の他にもう一つ「避諱(ひき)」というのが有って、他人の良くないことを隠すのだそうです。嵩じて、偉人、賢人に対して、最近では国家に対しても適用されているそうです。
 出発点はどうも孔子のようで、「春秋」を編纂する時に立てた原則が、「偉大な人のためには、醜いことを隠さねばならず、高尚な人物のためには、過ちを隠さねばならず、親族のためには欠点を隠さねばならない」と、曰わったそうです。
 前述の、論語の中の有名な故事、正直な子供が、親が他人の羊を盗んだと告発しました。孔子は、それは正直ではない、親は子供のために隠し、子は親のために隠すのが、本当の正直と教えています。
 ということで、大陸では、子供の頃から偉大な人物と国家のためには、「避諱」し、虚言を弄しなさいと、教育されているそうで、虚言を弄する習慣が養われています。

 大陸には、歴史的な人物(悪人)の像をわざわざ作って、それに唾をする習慣があります。岳飛廟にある秦檜夫妻の像がそうですが、我々には信じられないことを行うようです。
 いわゆる、国民国家の近代国家に置いては、罪を償えば、名誉回復できます。また、その人が亡くなってしまえば、罪を問うことが出来ません。
 王朝も替り、法治国家というよりは、人治王朝でありながら、一旦罰せられると、永遠に回復できないというのは、何を考えているのかさっぱり分かりません。

 紅衛兵が暴れた後、名誉回復した人が居ますが、そもそも、まともな法律もなく、罪をでっち上げられ、まともな裁判もなく、名誉回復したというのは、誰が罪を問うて、誰が名誉回復したのでしょうか?

 極東軍事裁判東京裁判)は、正確には休戦中に、米軍の謀略によって、軍人、政治家を、リンチに掛けたのです。それも事後法によって。しかし、途中亡くなったりした人も居ましたが、なかには、刑期を終え名誉回復し、総理大臣にまで成った方もいます。

 未だに、近代化出来ない中国は、自分達の習慣を、外国に適用しようというその傲慢さは、責められてしかるべきものと考えます。
 元駐日大使で、今の王毅外相は、知日家で、日本の事情を百も承知しながら、しらばくれて、中国人の歴史観をインシストしています。Wikipediaを見ましても詭弁を弄していることが直ぐ分かります。