子育て9 子供の運動

 私は子供の仕事は「遊ぶこと」だと考えておりますので、特に幼児期は、戸外で遊ぶのが「好き」になるように仕向けてゆくのが一番だと考えます。 脳科学者は、遊びが、脳の発達にも宜しいし、社会性も備わってくるので、しっかり遊ばせなさいと言っています。

 児童の時期に入りますと、やはり、戸外で運動するのが「好き」になるように持って行って欲しいと考えます、決まった脳の使い方や決まった筋肉の使い方に偏るのでなく、色々な神経、色々な筋肉を発達させるために、色々な運動に取り組み、体全体円満に、成長させて欲しいと思います。

 次に、子供を運動選手にでもしたいという方には、子供の時にしか出来ないこと、子供の時にやったほうが良いことを、その遊び、運動に、ミックスして行けば良いと考えます。
 特に神経系と筋肉・関節の柔らかさに関係するものがそれに当たります。更に、細かく言いますと、複雑な動きの出来る神経系、体のバランスを高度に保てる神経系、視神経、視神経と脳の連携プレー、関節の可動範囲が大きくて、滑らかに動く等々です。

 神経系でいいますと、複数の運動を、組合せて行いますと、神経系の難度が上がり、やがて、複雑な運動にも対応することが出来るようになります。昔の女の子の遊びで言えば、「まりつき」で、単にドリブルが出来るだけでなく、左右の手が使えるし、脚をくぐらせたり、背面を通したりすることがそれに当たるでしょう。同じく、「けん玉」、「お手玉」。お手玉で、ジャグリング。
 現在では、東ドイツが起源の「コーディネーション・トレーニング」と言う名前で、科学的に研究されています。小学校にも紹介されつつ有るようです。

 バランス感覚で言いますと、フィットネスで使うバランスディスク、バランスクッション、バランスボールを使うトレーニングが有ります。現在アスリートはほとんどの分野で使用しているようです。テレビやネットで見ていますと、福原愛ちゃんや鮫島彩さんも使っていました。サッカーの解説書にも練習に組み込むように教えています。更に、それに乗ってキャッチボールや、ジャグリングを行えば更に難度が上がります。究極は、スキージャンプのゴールドメダリストが、秘密練習だと行って、1mぐらいのバランスボールに乗っていました。多分バランスを失わない、例え、失いかけても、リカバーできると言うレベルにまで、進歩するのではないでしょうか。昔の遊びで言えば、竹馬、そして最近では、一輪車。

 視神経系については、多くのスポーツ選手が独自に我流でやっていますが、最近では、「スポーツビジョン」、「ビジョントレーニング」という分野で、単に視神経だけでなく、脳と関連付けて、科学的に研究が続けられています。
 動体視力の向上、視野の拡大、一度に広角が見渡せる、2次元を3次元でみる等々。イチロー選手は、独自の練習で、動体視力が向上したようです。女子バレーの益子さんは、視野が広がるようなトレーニングを行っていたと、テレビで言っていました。ボールゲームでは、敵味方、一度に広角で見渡せ、スペースが分かり、ノンルック・パス、シュート、スパイクを出せる、バランスを崩しながらも、的確なパスを送り出させることができるというようなことが必要になって来ます。

 世界体操選手権のゴールドメダリストの内村、白井の両選手は、親が元体操の選手で、現指導者、小さい時からトランポリンをやっていたそうです。内村選手は、動体視力検査は満点で、回転中周囲の景色が全部見えるそうです。科学的に説明されていませんが、体操選手を志す方は、トランポリンが、必修科目でしょう。

 肩周りの柔軟性については、ゴルフの石川遼選手は、手を腰にとって、肘を前に持ってきますと、左右の腕は平行になります。また、背泳の入江選手は、肩を前に曲げますと、やはり左右並行になります。というのを、テレビで見ました。
私の考えでは、アレだけ柔軟性が有れば、スイングも、腕の回転も、突っ掛かるところがなく、無理なく自由に、運動できるのではないかと考えます。彼らが子供の頃から、意識してやったのかどうか分かりませんが、私の身近な例で、義弟は、いつの頃からか、寝起きに柔軟体操をやり、未だ継続しているとのことで、体が柔らかい。また、真向法という民間の家庭治療法というのが有りまして、年をとってからでも、継続して行いますと、信じられないほど、柔軟になっています。ネットで検索下さい。
 その気になれば、体は十分に、柔かくなります。更に、早くから初め、継続すれば、無理なく柔軟性が、保てそうなことが分かります。

 「国立スポーツ科学センター」と言う組織が有りますが、沢山のオリンピックのメダリストを、輩出するのは、当然ですが、そこで得られた科学的なトレーニング方法や、考え方を、噛み砕いて公表していって欲しいと考えます。勉強、研究不足から起こる間違った考え方、練習方法が、「しごき」「体罰」を、助長すると考えますので、ぜひ一般化していただきたいと考えます。
 更に、パーフォーマンスを向上させるトレーニングと同時に、故障を起こさないトレーニングを考案していただきたい。スポーツ障害によって、目的を断念せざる人達の何と多いことか。かく言う私もその一人ですが・・・・